

店舗内装イメージの作り方:理想の空間を具体化するステップを解説

店舗の開業やリニューアルを控える中で、「おしゃれで居心地の良い空間にしたい」というイメージはあっても、それを具体的なデザインや言葉に落とし込むのは非常に難しい作業です。ネットで事例を探しても、結局どれが良いのか迷ってしまう方も多いでしょう。
この記事では「内装イメージが固まらない」と悩む人に向けて、理想の空間をイメージする方法を解説します。抽象的な言葉だけで終わらせず、具体的な考え方やステップを押さえることで、業者との打ち合わせもスムーズにしていきましょう。
内装のイメージが固まらない人が陥りがちなこと

あなたの内装イメージがなかなか固まらないのは、デザインセンスの問題ではありません。ほとんどの場合、内装デザインを考える際の「視点の持ち方」に原因があります。ここでは、店舗オーナー様が陥りがちなことを3つ紹介します。
好みとビジネスコンセプトを混同している
「あの店のデザインが好きだから真似したい」と考えるのはよくあることです。しかし、そのデザインがあなたの店舗のターゲット層や提供する商品・サービスに合っているかは別の問題です。
ご自身の「好み」を優先するあまり、集客や売上に繋がらないデザインを選んでしまうと、開業後の経営に大きな影響を及ぼします。
パーツばかり見て全体を見ていない
「この壁の素材は良いな」「この照明器具を使いたい」といったように、内装を個別のパーツとして捉えていませんか?もちろん、素材や照明などの要素に注目するのは大切です。しかし、お客様が感じるのは、それらが組み合わさって生まれる“空間体験”そのものであるということを忘れないようにしましょう。
パーツ単体の良し悪しにとらわれず、「全体としてどんな雰囲気をつくりたいのか」という視点を持つことが、店舗の内装ではとても重要です。
抽象的な形容詞で満足している
「おしゃれな店」「落ち着ける空間」といった言葉は一見わかりやすく聞こえますが、具体的な内装を考えるうえではほとんど役に立ちません。たとえば「落ち着く」といっても、暗めの照明とソファ席で演出する“高級バーの落ち着き”と、木目調の壁や自然光がある“ナチュラルカフェの落ち着き”では、必要な素材も予算もまったく異なります。
抽象的な言葉に頼らず、「どんな要素を組み合わせればその雰囲気を再現できるのか」という視点を持つことが大切です。
店舗の「内装イメージ」を固める前に考えたい3つのこと

店舗の内装デザインのアイデアを探す前に、まずは店舗のビジネスとしての軸を固めましょう。以下の3つの軸が明確になっていないと、どんなに良いデザイン事例を見ても、迷走してしまいます。
コンセプト
ターゲット層、価格帯、店舗の雰囲気などを明確にしましょう。たとえば、若年層向けカフェなら「ナチュラルで明るい雰囲気」、高級サロンなら「落ち着いた非日常空間」がコンセプトになります。コンセプトを先に決めることで、内装の方向性やテイストのぶれを防ぐのです。
業種に合ったデザイン方向を知る
内装は見た目だけでなく、店舗の目的に合わせてデザインすることが重要です。回転率を上げたい飲食店、滞在時間を延ばしたいカフェ、安心感を与えたいクリニックなど、業種ごとに求められる効果があります。
【カフェ・飲食店】
居心地と世界観を重視。照度をやや落とし、間接照明やパーソナルスペースで長居したくなる雰囲気を演出。
【美容室・サロン】
清潔感と非日常感を重視。白やグレー基調、間接照明、プライバシー配慮で上質な空間をつくる。
【クリニック・整骨院】
清潔感と安心感を重視。明るい照明とオフホワイト配色、部分的に木材を使用し、待合室の快適性も確保。
【物販・アパレル】
ブランドの世界観を重視。商品を引き立てる照明や導線設計で、回遊性と印象を高める。
店舗イメージを“言葉で共有できる”ようにしておく
業者とのやり取りでは、漠然としたイメージよりも具体的な表現が大切です。「温かみのあるナチュラルな空間」や「高級感のあるモノトーン」など、言葉でイメージを整理しておくと、完成イメージと実際の仕上がりのギャップを減らせます。
イメージを“形”にするための4つのポイント

選んだテイストを具体的に内装に落とし込むには、以下4つの要素について知っておきましょう。
照明
照明は空間の明るさと印象を決める要素です。リラックスや落ち着きを求める場合は暖色系(電球色)を、清潔感や集中力を求める場合は寒色系(昼白色)を選びましょう。
素材
素材は雰囲気を決める要素です。木・石・金属などの質感で、空間の雰囲気は簡単に変わります。
配色
ベースカラー・アクセントカラーの選び方を知っておきましょう。あまり色が多いとごちゃごちゃして見えるため、内装のカラーバランスは一般的に以下を目安にします。
- 壁や天井など大面積を占める色が70%(ベースカラー)
- 次に大きな面積を占める色が25%(アソートカラー)
- クッションや家具の一部などに使用する最も目立つ色が5%(アクセントカラー)
レイアウト
内装のレイアウトは、お客様が店内をどう動き、どこに立ち止まるかという導線そのものです。また、エントランス(期待感)、接客エリア(体験)、バックヤード(効率)など、エリアごとに内装のイメージや照度を変えることで、お客様に自然な行動を促します。
店舗内装のイメージづくりのための参考ステップ

店内内装のイメージづくりのための、具体的な3ステップをみていきましょう。
①:SNSや写真サイトで「理想の雰囲気」を集める
SNSや写真サイトで理想の雰囲気を集める最初の段階では「店舗全体」ではなく、「パーツ」に注目してインスピレーションを得ることが大切です。たとえば、「この木目の色」「このタイルの模様」「このペンダントライトの形」といった具体的な要素を見つけておくと、後で全体イメージを構成する際の素材辞典のように使えます。
また、「この壁と家具の組み合わせ」など、気に入った配色の事例も積極的に保存しておくと役立ちます。素材・照明・配色といった要素ごとに写真を分類して集めていくと、デザイナーへの要望をより具体的に伝えられるようになるでしょう。
ただし、目的はあくまで「全体を考えるための素材集め」です。パーツで終わらせず、後でそれらをどう組み合わせて“空間”に仕立てるかを意識しましょう。
②:気になる店舗を実際に訪れて観察する
気になる店舗を実際に訪れて観察することは、写真だけではわからない「空間体験」を理解するうえで非常に重要です。店内を歩きながら、「なぜ居心地が良いと感じるのだろう?」と意識的に分析してみましょう。
たとえば、テーブル上のペンダントライトが低い位置にあることで温かみを感じたり、カウンターに使われた石材の触り心地から素材の温度感を確かめられたりします。さらに、入口からレジまでの導線に迷いがないか、座席の高さや配置が業態に合っているかといった点も観察のポイントです。こうした実体験を通して、写真で抱いたイメージと実際の体感とのズレを把握しておくことが、失敗しない内装選びにつながります。
③:イメージボードを作って内装業者に共有する
集めた写真やメモをまとめて業者に見せましょう。双方の認識のズレを防ぎ、具体的な打ち合わせができるようになります。
また「これだけは絶対に避けてほしい内装」「苦手な素材」など、NGの事例や要素も伝えてください。これらはデザイナーが迷う時間を減らし、結果的に最短で理想のイメージに近づくための強力なヒントです。
まとめ
店舗内装のイメージを固めることは、理想の空間をつくる第一歩です。「好き」だけでなく業種やターゲットに合った方向性を考え、テイストやコンセプトを整理することで、迷わず内装を進められるようになるでしょう。
株式会社バイソンは、東海4県を中心に数多くの店舗内装工事の実績があり、店舗の開業やリニューアルをワンストップでサポートしています。プロフェッショナルならではの幅広い知識と技術で、お客様の理想の医院づくりを実現いたします。内装デザインでお悩みの方は、ぜひ株式会社バイソンにご相談ください。
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