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ジムの内装デザインと工事のポイントを解説

フィットネスジムやパーソナルジム、ボクシングジムなどを開業するとき、店舗内装について悩まれる方は少なくありません。ジムの内装は顧客獲得やリピート率アップにもつながる重要な要素です。この記事では、ジムの内装工事における重要なポイントについて解説します。

ジムの内装工事で押さえるべきポイント

ジムの内装工事では、一般の店舗とは異なる専門的な配慮が必要です。床や壁、天井など基本となる内装要素について、ジム特有の注意点を見ていきましょう。

床の耐荷重と防音対策

トレーニング機器の設置には、床の耐荷重への配慮が欠かせません。一般的なマンションの床は1平方メートルあたり180キログラムまでしか耐えられないため、大型の機器を設置する場合は注意が必要です。施工前に必ず設計図で耐荷重を確認し、必要に応じて補強工事を行います。


また、フリーウエイトエリアには衝撃吸収性の高い床材を使用し、重量物の落下による床の損傷を防ぎます。防音対策としては、床材の下に専用の防音材を敷き込むことで、階下への振動や音の伝達を軽減します。特にパーソナルジムをマンションの一室で開業する場合は、近隣への配慮として入念な防音処理が必要不可欠です。

壁材と天井の選び方

ジムの壁材選びで重要なのは耐久性と防音性です。トレーニング中の接触や衝突に耐えられる強度を持ち、同時に汗や汚れが付きにくく清掃しやすい素材を選びます。また、鏡の設置位置も考慮した壁面設計が必要です。鏡は利用者がフォームを確認できる高さと角度で設置し、壁の補強も忘れずに行いましょう。

天井は圧迫感を軽減するため、可能な限り高さを確保します。天井裏には空調設備や換気設備、照明器具の配線スペースも必要です。防音材は壁材の内側に十分な厚みで施工し、特に隣接する店舗との間仕切り壁は入念な防音処理を施します。

照明計画のコツ

照明計画では、トレーニングに適した明るさの確保と省エネ性能の両立が求められます。マシンエリアは数値が読みやすく安全に運動できる明るさを確保し、ストレッチエリアは落ち着いた雰囲気を演出する照明を設置するとよいでしょう。LED照明は、初期費用は高くなりますが、長期的な電気代の削減につながります。


また、天井高を考慮した器具の選定や、メンテナンス性を考えた設置位置の検討も重要です。24時間営業のジムでは、人感センサー付きの照明を採用することで、無人時の電力消費を抑えられます。非常用照明の設置は法令で定められており、停電時の安全確保のために適切な配置が必要です。

ジム内装の必須設備と配置のポイント

ジムの内装では、利用者の快適性と運営効率を考慮した設備配置が重要です。各エリアの用途と動線を理解し、適切なレイアウトを計画します。

トレーニングエリアのゾーニング

トレーニングエリアの内装工事では、機器の重量バランスと電源配置を考慮したゾーニングが必要です。有酸素マシンは多くの電源を必要とするため、電源容量と配線ルートを計画的に設置しましょう。フリーウエイトエリアは床の補強と防振処理を入念に行い、器具の落下による損傷や振動を防ぎます。


壁面には大型の鏡を設置しますが、その際は壁の強度を確認し、必要に応じた下地補強が必要です。マシンの間隔は利用者がぶつからない距離を確保し、清掃や機器のメンテナンスのしやすさも考慮します。

更衣室とシャワールームの設計

水回りの内装工事は防水と換気が重要なポイントです。更衣室の床は防水パンを設置し、壁と床の接合部には入念な防水処理を施します。シャワールームは排水勾配を適切に取り、水はけをよくします。壁面はカビが発生しにくい素材を使用し、天井には結露防止の処理を施します。


換気設備は湿気を効率的に排出できる能力を持つものを選定するとよいでしょう。24時間換気システムの導入も検討する価値はあります。

受付カウンターと待合スペース

受付エリアは内装デザインの顔となる部分です。カウンターは耐久性のある材質を使用し、天板の高さは作業のしやすさを考慮して設計する必要があります。照明は受付業務に適した明るさを確保し、カウンター下には収納スペースと配線用の穴を設けましょう。


床材は傷つきにくく、掃除がしやすい素材を選択することが大切です。壁面には掲示物を貼れるスペースを確保し、必要に応じてピクチャーレールの設置も検討します。空調の吹き出し口は受付スタッフや待合の利用者に直接風が当たらない位置に配置することで、快適な環境が実現できます。

パーソナルジムと大型ジムの内装の違い

ジムの規模や運営形態によって内装工事の要件は大きく異なります。それぞれの特性を理解し、適切な内装仕様を選定することが重要です。

パーソナルジムに適した内装デザイン

パーソナルジムの内装工事は、限られたスペースを有効活用する工夫が必要です。マンションの一室などで開業する場合、壁面に防音材を貼り込み、床にも防音シートと防振マットを重ねて施工します。


鏡は圧迫感を軽減するため、可能な限り大きなものを設置しますが、壁の補強工事を忘れずに行います。照明は影ができにくいよう、複数の光源を組み合わせて設置するよう心がけましょう。

大型ジムの内装ポイント

大型ジムでは、広いスペースを効率的に区切る工事が必要となります。天井の高さを十分に確保し、空調や換気の配管スペースも考慮しなければなりません。床材は場所によって使い分けが大切です。マシンエリアは耐久性の高いものを、スタジオは衝撃吸収性のあるものを選定していきましょう。


また、電源容量は多くの機器を同時使用することを想定した余裕のある設計が求められます。壁面には適度な間隔で鏡を設置し、トレーニングフォームが確認しやすい環境に仕上げています。照明は全体の明るさを均一に保ちつつ、エリアごとに明るさを調整できるよう、回路を分けることがポイントです。床下配線を考慮すると、二重床の採用も視野に入れる必要があるでしょう。

24時間ジムの設備要件

 24時間営業のジムでは、無人運営を想定した内装設備が求められます。入退室管理システムの配線は壁内に隠蔽することが大切です。防犯カメラは死角が出ないよう慎重に配置計画を立てます。


照明は人感センサーと連動させ、エリアごとに自動点灯・消灯できるシステムが不可欠です。電気容量は24時間稼働を想定した設計とし、分電盤は管理のしやすい位置に設けましょう。空調システムも24時間運転に対応できる機種を選びます。

ジム内装工事の失敗しないコストダウン術

内装工事の予算管理は重要な課題です。品質を維持しながら賢く費用を抑える工事の進め方について解説します。

適切な材料選びでコストを抑える

内装材料の選定は品質とコストのバランスが重要となります。床材は耐久性の高いビニル系シートを基本とし、必要な箇所のみクッション性の高い素材を使用するのがポイントです。壁材は清掃のしやすいビニルクロスを採用し、特殊な仕上げは限られた範囲にとどめることをおすすめします。


鏡は規格サイズを採用することでコストを抑えることができるでしょう。大判の鏡が必要な場合は、複数枚を組み合わせる工法も有効な選択肢です。天井材は軽量で施工しやすいものを選び、工期短縮を実現します。照明器具はLEDを標準とすることで、初期費用は上がりますが、電気代と交換費用の削減効果が期待できます。

レイアウトの工夫で施工費を削減

効率的な間取り設計は工事費用の削減につながります。給排水設備は可能な限り集約し、配管ルートを短くするのが基本です。スケルトン物件の場合、既存の給排水管や空調配管の位置を活かしたレイアウトを検討してみましょう。


また、建具や什器は規格品を採用し、造作を減らすことが有効です。照明器具の配置も既存の配線位置を考慮し、新規配線工事は最小限に抑えることをおすすめします。

将来の拡張性を考えた設計

将来の改装や設備更新を見据えた内装設計は、長期的なコスト削減を実現する重要な要素です。電気配線は容量に余裕を持たせ、後からの増設を可能にしておきましょう。床下には予備配管を布設し、将来のレイアウト変更に備えることをおすすめします。


壁材や床材は部分補修が可能な仕様を選び、経年劣化への対応を容易にする工夫が必要です。照明器具や空調機器は一般的な規格品を採用し、将来の部品交換にも配慮した選定を心がけましょう。

まとめ

ジムの内装工事では、床の耐荷重や防音対策・水回りの施工など、一般店舗とは異なる専門的な知識が必要となります。特に重要なのは、利用者の安全性と快適性を両立させる設計です。床材や壁材の選定・照明計画・空調設備の配置など、細部にわたる配慮が求められます。また、将来的な拡張性やメンテナンス性を考慮した設計も、長期的な運営において重要な要素であるといえるでしょう。

株式会社バイソンは、多くの店舗内装の実績を持ち、お客様のニーズに合わせた最適な内装プランをご提案いたします。ジムの内装工事について悩まれている方は、ぜひ一度ご相談ください。経験豊富なスタッフが、お客様のご要望をしっかりとお伺いいたします。

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