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成功するレストランの内装とは? タイプ・ジャンル別内装ポイントも解説

レストランの内装は、快適性やスタッフの作業効率、店舗の雰囲気作りといったさまざまな要素を考慮しなければなりません。飲食店の経営は簡単ではなく、実は3年以内に7割が廃業していると言われています。そんな中でも成功しているお店は、やはり内装デザインも考えつくされているのです。この記事では、レストラン内装の基本的な考え方だけでなく、タイプ・ジャンル別レストランの内装ポイントや費用相場などについて解説します。

レストラン内装に求められる3つの要素

レストランの内装デザインは、単に見た目の良さだけを追求するものではありません。快適な食事空間の創出には、3つの要素が重要です。ここでは、レストラン内装に求められる基本的な要素について説明します。

快適な空間づくり

お客様がレストランに求めているのは、心地よく食事ができる空間です。店内に一歩足を踏み入れた瞬間から、くつろぎの時間が始まることを期待しています。人間が快適さを感じるためには、光・音・香り・温度など五感に直接訴えるものを、最適な状態に整えなくてはなりません。


成功するレストランは、すべてのバランスが良好です。美味しい料理と飲み物だけではいけませんし、快適な空間だけでもいけません。とにかく食べ物が美味しければよいとは思わず、照明や音、什器、など空間に存在するすべてのものに気を配るようにしましょう。

明確なデザインコンセプト

レストランに限らずどのような店を作る場合でも、明確なコンセプトを持つことは非常に重要です。コンセプトとは、その店舗が目指す世界観や提供したい雰囲気を指します。たとえば「優しい気持ちになれる隠れ家的イタリアン」や「仕事で疲れた会社員を癒す森」「非日常が味わえる高級ホテルの一室」などといったイメージです。決めたデザインコンセプトは、壁や床の素材選び、色使い、照明計画、家具のデザインなど、すべての要素に反映されます。


「誰が」「何を求めてお店にくるか」「お客様に対しお店が提供できる価値は何か」の3つについて、必ず明確な答えが出るようにしておきましょう。


たとえば20代のカップルがインスタ映えする料理や空間などを求めてくる場合と、40代のファミリーが美味しくて手ごろな価格の料理を求めてくる場合では、外装・内装・提供する料理のすべてが異なります。

快適な動線設計

自宅でも職場でも、スムーズに動けないときはイライラしてしまうことが多いでしょう。それは食事場所でも同じことです。たくさんの人が集まり、動くレストランの中は、スムーズな動線が考えつくされている必要があります。


入口からテーブルまでの導線、キッチンからテーブルまでの配膳動線、トイレへの動線など、さまざまな動きを考慮して什器の設置を考えましょう。配膳時にお客様の邪魔にならないよう、テーブルの配置や通路幅には工夫が必要です。


また、キッチン内の作業効率を上げるため、調理場の配置や設備の位置関係も重要です。動線が快適であると、従業員のモチベーションの低下を防ぐことにもつながります。もちろん、緊急時の避難経路確保も忘れてはいけない要素です。

レストラン内装デザインの基本ポイント

内装デザインの成功は、細部への配慮から生まれます。ここでは、レストランの内装デザインにおける具体的なポイントについて詳しく見ていきます。

開放感と落ち着きのバランス

レストランの内装デザインにおいて、開放感と落ち着きのバランスを取ることは重要な課題です。たとえば天井が高すぎると圧迫感がなくなり高級感が出る反面、親密な雰囲気が失われてしまう可能性があります。逆に、天井が低すぎると圧迫感が生まれますが、親密さを感じやすくなるうえに照明演出が効きやすかったり、空調効率が向上したりします。このようなメリット・デメリットを解決するために、照明や色をコントロールしましょう。


また、窓の配置や大きさも空間の印象に大きく影響を与えます。自然光を取り入れることで開放感を演出できますが、食事中の直射日光は多くの方が不快に感じるもの。そのため、カーテンやブラインドを活用し、時間帯や天候に応じた光のコントロールを可能にするようにしましょう。

空間を演出する適切な照明

照明を上手に使うことで、レストランの雰囲気作りを一気に高められます。全体照明・テーブル照明・アクセント照明といった複数の光源を組み合わせ、活発さや落ち着きさ、心地よさを演出しましょう。料理が美しく見える程度の明るさを保ちながら、コンセプトに合った雰囲気を作りだすことが大切です。


電球を選ぶ際にはLEDをおすすめします。LED照明は省エネ効果が高く、長寿命であることがメリットです。調光機能付きの照明を導入することで、時間帯や用途に応じて明るさを調整できます。

清掃性や安全性を兼ねた素材選び

内装に使用する素材は、見た目の美しさだけでなく、耐久性や清掃のしやすさも考慮すべきです。床材は滑りにくく、汚れが目立ちにくいものを選びます。壁材は傷つきにくく、メンテナンスが容易なものが望ましいでしょう。


テーブルや椅子は、デザイン性と耐久性のバランスが取れたものを選んでください。素材の組み合わせも重要で、木材と石材・金属と布といった異なる素材を調和させることで、豊かで五感を刺激する空間を作り出せます。

「ちょうどよい」音への配慮

音への配慮も必要です。店内が騒がしすぎると会話がしづらく、食事を楽しみながらのおしゃべりができません。「料理は美味しいけど店内がうるさくて落ち着かないし、友達(家族・恋人)の声が聞こえない」は居心地の悪さが際立ち、リピートにはつながらないでしょう。


音響は存在を主張しすぎない程度のものにし、吸音効果がある天井素材やカーペットなどを取り入れることもおすすめです。パーテーションやカーテンなどで半個室を作り出すことも、隣のお客様の話し声が気になるという状況を改善します。

レストランタイプ別の内装ポイント

レストランの業態やコンセプトによって、必要な内装の要素は大きく異なります。ここではレストランのタイプ別に、内装デザインのポイントを解説していきます。

ラグジュアリー系レストランの内装

高級店の内装は、上質さと落ち着きを重視したデザインが求められます。大理石やタイル、高級木材、革など、質の高い素材を使用することが特徴です。照明は間接照明を中心に、柔らかな光で空間を演出します。テーブル間の距離を十分に確保し、プライバシーに配慮した空間作りをするようにしましょう。


接待や会食に使えるよう、個室の設置もおすすめです。食器や調度品も、内装のグレードに合わせた質の高いものを選びます。高級店では、お客様が特別な体験をできる空間作りを心がけなければなりません。全体的なトーンは落ち着いた色使いで統一し、細部まで丁寧な仕上げを施すことが大切です。

カジュアルダイニング系レストランの内装

カジュアルダイニングは、親しみやすく居心地の良い空間作りが重要です。子どもから高齢者まで利用するため、明るく開放的な雰囲気を基本に、活気のある空間を演出しましょう。素材は耐久性があり、メンテナンスが容易なものを選ぶことで清潔感を守りやすくなります。


照明は全体的に明るめで、活気のある雰囲気が良いでしょう。テーブルの配置は、2人席から大人数での利用まで、フレキシブルに対応できる工夫が必要です。壁面装飾やアート、グリーンなどを取り入れることで、空間に個性を持たせられます。

リゾート系レストランの内装

リゾート系レストランでは、非日常の特別な空間とリラックス空間を同時に提供することが大切です。自然を感じさせる素材を使ってリラックス感を味わってもらい、旅先のリゾート地にいるような心地よい体験をしてもらいましょう。


照明はキャンドルや間接照明を使用します。ナチュラルで温かみのある色調をベースにし、床材に大理石などを使用することで高級感が演出できます。椅子やソファーは低めにし、観葉植物を飾ってお客様同士の視線を遮ることでプライバシーも確保可能です。

テイクアウト併設系レストランの内装

テイクアウトを併設するレストランでは、イートインスペースとテイクアウトカウンターの動線を明確に分ける必要があります。テイクアウトのお客様の待機スペースも確保しましょう。カウンターは作業効率を考慮した高さと奥行きが重要です。


また、テイクアウト商品のディスプレイスペースも効果的に設置する必要があります。床材は耐久性が高く、汚れが目立ちにくいものを選ぶと清掃に困りません。照明は商品を魅力的に見せる工夫が必要です。テイクアウト用の包装資材や備品の収納スペースも忘れずに確保しましょう。

レストランのジャンル別内装ポイント

レストランのジャンルによって、好まれる内装デザインが大きく異なります。ここでは主要なジャンルごとに、内装デザインのポイントを解説します。

フレンチレストラン

フレンチレストランは、高級店とカジュアル店では内装デザインが大きく異なります。たとえば正装して食事に行くような格式高いフレンチでは、ヨーロッパの宮廷を思わせずクラシックで上質な内装が人気です。アンティークの家具や輝くシャンデリア、金装飾された鏡、柄の壁紙、ドレープの重いカーテンなどを取り入れ、非日常的華やかさを表現しましょう。


一方、カジュアルフレンチでは、木材やレンガを使用した温かみのある空間にすることが大切です。ペンダントライトで料理を直接照らし、クロスを敷いたテーブルの配置を少し密集させましょう。活気と賑わいを感じさせる内装にすることで、居心地の良さを演出できます。

中華レストラン

中華レストランもフレンチと同じく、高級店とカジュアル店で内装の方向性が異なります。ただし、中華系レストランで大切なのは色と素材です。赤・金・黒を組み合わせ、活気がありながらシックな雰囲気を出すようにしましょう。


高級店では、個室が中心のレイアウトになります。壁を黒にし、金色の装飾品を飾って照明を赤いランタンでアクセントにするといった手法が人気です。グレーや白も効果的に取り入れ、伝統とモダンを融合させましょう。一方、カジュアルな中華レストランでは回転率を重視したレイアウトで、食欲が増す赤を壁紙や天井など広い面で使います。書道風のアートや龍の置物などで装飾すると、雰囲気がでやすくなります。


油を多く使う中華店では、吸油性の高い素材の壁材や掃除しやすい床材、効率的な換気設計を選ぶことが大切です。

イタリアンレストラン

イタリアンレストランでは高級店とカジュアル店というより、地域ごとの特色を出すことが人気です。たとえば北イタリアのイメージは都会的なリストランテ。大理石やメタルを使い、落ち着いた大人のイメージでモダンな大人のレストランがぴったりです。


一方、南イタリアは、陽気で家庭的な地元の食堂風が愛されています。テラコッタ調の床や壁にし、木のテーブルと椅子でアットホームな空間を演出しましょう。トスカーナ風やナポリ風といったように、その地域特有の食事を出すことで、よりしっかりと差別化できます。

アメリカンレストラン

アメリカも国が広く、さまざまな地域特有の食べ物や町の雰囲気があるため、地域らしさの演出が人気です。たとえば東海岸なら都会的な要素にレンガや金属を組み入れた格好良さをイメージしたデザインに。対して西海岸なら明るく爽やかで海をイメージしたデザイン、中央部なら砂漠とカウボーイといったイメージのデザインなどです。また、ハワイアンレストランも大変人気があります。リゾートと地元の食堂をミックスしたような独特の雰囲気を演出してみてはいかがでしょうか。


アメリカ系は多くの場合で料理のボリュームがあるため、広めのサイズのテーブルをゆったり配置し、動線も確保する必要があります。

レストラン内装工事の費用相場とコスト削減術

内装工事の費用は、店舗の規模や仕様によって大きく変わります。ここでは、一般的な坪単価の費用相場と工事費用の内訳、コスト削減のポイントについて解説します。

坪単価の相場

工事費用は、坪単価でみることが一般的です。単価は立地や規模、グレードによって大きく異なりますが、一般的な相場としては1坪15〜50万円程度でしょう。つまり、20坪程度のレストランで300〜1,000万円ほどかかるということになります。


また、デザイン性を重視した内装材や特注の家具を使用する場合は、さらに費用が必要です。見積もりを取る際には工事の内容を細かく確認し、冷静に予想外の出費を防ぐようにしましょう。

設備工事費用の内訳

20坪ほどのレストランでスケルトン物件だった場合の、工事費用の内訳を表にしました。以下を予算立ての参考にしてください。

内容費用目安
デザイン費50万円
施工管理費50万円
内装工事費200~300万円
設備工事費300~500万円



内装工事とは、コンクリートがむき出しになっている壁や天井を作ったり、造作家具を作ったりする工事です。そして設備工事とは厨房・水道・ガス・電気などの設置工事で、この設備工事の割合が最も高くなります。すべての項目で良いものを選べば、それだけ工事費用が高くなり、工事完了までの時間もかかるようになると考えておきましょう。


なお、厨房設備は業態や提供する料理によって必要な機器が異なるうえに、消防設備や換気設備なども法令で定められた基準を満たす必要があります。

コスト削減のポイント

予算には限りがありますから、さまざまな工夫をしてコスト削減に取り組みましょう。たとえば以下のような行動を検討してみてください。

  • 居抜き物件を狙う
  • 中古品も検討する
  • DIYで工夫する

居抜き物件を狙う

先ほど工事費用相場のところで、設備工事費が最もかかると説明しました。しかし、居抜き物件の場合は元からある設備を使える可能性があるため、設備工事費をかなり削減できます。設備工事費を抑えられるとその影響はとても大きく、こだわりたいところに費用を回せるようにもなります。


なお、居抜き物件を探す際には、似たような業態のお店だったところを重点的に当たるようにしましょう。レストランだった居抜き物件を発見できれば、そのまま設備が使える可能性が高くなります。同じ飲食業でもカフェなど厨房設備が小さい店であれば規模が異なるため、既存設備を撤去してからの工事のやり直しになってしまい、居抜き物件のメリットが小さくなってしまいます。

中古品も検討する

厨房の什器やテーブル、椅子、カトラリーなどは、中古品から選ぶことも検討してみましょう。業務用の什器専門のリサイクルショップもあります。元々質がよく高い家具が、中古であることから安く販売されているケースもあるため、どのようなものがあるのかを見て回ることがおすすめです。

DIYで工夫する

タイルを貼る、壁をペンキで塗る、家具を取り付ける、など、自分たちでもできることはDIYすることで、費用を抑えられます。手をかけた店は愛着もわきやすいもの。内装の細かいところはDIYで行うことも、検討してみましょう。

レストランの内装工事:業者の選び方

レストランの内装工事では、見た目の美しさだけでなく、厨房機能や衛生面など、飲食店ならではの要素にも配慮できる業者選びが重要です。まず注目したいのが飲食店の施工実績。一般住宅やオフィスとは異なる動線設計や法令対応が求められるため、過去に飲食店を手がけた経験があるかどうかは、安心して任せられるかの大きな判断材料になります。


また、厨房設備工事の知識があるかも必ずチェックしましょう。限られたスペースを有効に使いながら、安全かつ効率的な作業動線を確保するには、厨房設計と設備に精通した業者であることが必要です。


さらに、衛生管理への配慮も見逃せません。飲食店は食中毒や異物混入などを防ぐため、素材選びや仕上げ方法にも衛生的な工夫が必要です。たとえば、掃除のしやすさ、防水性、防カビ性などを考慮した提案ができる業者を選ぶと安心です。


そして最後に、施工後のメンテナンスやアフターケアについても確認しましょう。営業を始めてから不具合が生じた場合、迅速に対応してもらえる体制があるかどうかで、長期的な安心感が大きく変わってきます。内装工事は「作って終わり」ではなく、運営を支えるパートナー選びでもあるという視点が大切です。

まとめ

レストランの内装デザインは、快適な空間作りやデザインコンセプト、動線計画など多くの要素を総合的に考える必要があります。特に重要なのは、お客様目線での空間づくりと業態に合わせた適切な内装選びです。また、照明計画や素材選び、テーブル配置といった細かな要素も、店舗の雰囲気作りに大きな影響を与えます。


内装工事の費用は店舗の規模や仕様によって大きく変わりますが、適切な計画を立てることで、効果的なコスト管理が可能です。株式会社バイソンでは、長年の経験と実績を活かし、お客様のご要望に合わせた最適な内装デザインと施工をご提案いたします。レストランの内装でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。

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