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居酒屋の内装デザインガイド!成功する空間作りのポイントと費用相場

居酒屋を開業する際、しっかりと集客するためには内装デザインに注力するようにしましょう。魅力的な内装は、リピーターの確保だけでなく新規客獲得にも大変重要です。この記事では、居酒屋の内装デザインにおける基本的なポイントから実践的なノウハウ、費用相場までを解説します。

居酒屋の内装を成功させるためにまず考えること

居酒屋を成功させるために、何よりも先に考えなくてはならないことをみていきましょう。大切なことは、コンセプトづくりとターゲットの設定、そして立地と内装の相性をしっかり確認することです。

ターゲット層とコンセプトを明確にする

どのようなお店であっても、最初に行うべきはコンセプトとターゲット層の明確化です。コンセプトとターゲット設定が明確でなければ、そもそもデザインを決められません。


たとえば、40代以上のサラリーマンをメインターゲットにする場合と、20代の学生を含む若者をメインにする場合では、求められる内装の雰囲気が大きく異なります。また単価設定や提供メニューが変わるため、必要な設備や空間の使い方も変わってきます。


コンセプトが曖昧なまま内装デザインを進めると、後から大きな修正が必要になるかもしれないうえに、無意識に周囲の雰囲気と合わせてしまい、周辺の競合店との差別化もできなくなります。


ターゲット層の年齢や職業、利用シーンを具体的かつ詳細にイメージし、お客様のニーズに合った空間づくりを心がけましょう。開業後の運営まで見据えた計画立案が成功への鍵となります。

立地と内装の相性をチェックする

居酒屋の内装を考えるうえで、出店するエリアの立地条件は見逃せない要素です。なぜなら、立地によって来店するお客様の層やニーズが変わるため、求められる内装の雰囲気にも一定の傾向があるからです。


たとえば、駅チカや繁華街にある居酒屋では、仕事帰りの会社員やグループ客が中心となるため、賑やかで活気のある雰囲気が好まれる傾向があります。短時間で食べて飲んで帰るお客様も多く、動線のよさや回転率を意識したレイアウト設計も重要です。


一方で、住宅街や郊外にある店舗では、地元の常連客や家族連れが多く、落ち着いて過ごせる空間や清潔感のある内装が求められます。座敷席や半個室のニーズも高く、ゆったりとした席配置が好まれるケースも少なくありません。


ただし、立地に合わせて内装を整えるだけでは、周囲の競合店と似たような雰囲気になってしまうこともあるでしょう。特に繁華街では同じようなコンセプトの居酒屋がひしめいているため、「どこに入っても一緒だろう」と感じさせてしまうリスクがあります。


そこで意識したいのが、差別化につながる“+αの工夫”です。具体的には、オーナーの出身地や食材のこだわりを内装に反映させる、照明や装飾で印象に残る空間を演出する、といった工夫が効果的です。最近では、SNS映えする内装や個性的なコンセプト設計が集客につながる例も増えています。


立地の特性を踏まえながらも、「このお店ならでは」の魅力を空間で表現することが、繁盛店づくりの第一歩です。

居酒屋の内装デザインで押さえるべき基本ポイント

では続いて、基本的なポイントを確認していきましょう。エントランスデザインや動線計画、客席のレイアウト、音響や照明など、開業後の運営を見据えた計画を練ることが大切です。

お客様目線のエントランスデザイン

エントランスは居酒屋の顔となる重要な場所です。外観から店内の雰囲気が伝わるようにし、入店意欲を高めるためのデザインにしましょう。特に一見のお客様にとって、エントランスは入りやすさを判断する大切な要素です。

たとえば、魚料理がメインの居酒屋であれば、生け簀(いけす)の設置や漁港をイメージさせる外観にするなどが考えられます。「このような外観や雰囲気だから、このようなお料理が出てくるだろう」という期待を裏切らないようにすることが大切です。


和洋折衷居酒屋なら洋風のテイストも入れる、和風居酒屋であれば暖簾(のれん)や行燈(あんどん)を効果的に配置する、といったことが有効になります。ガラス面の活用や適切な照明計画により、店内の様子が程よく見える工夫も行いましょう。


エントランス周りには十分なスペースを確保し、お客様が立ち止まって店内を確認できるようにします。また、看板やメニュー表示なども、デザインの重要な要素です。外観全体で統一感のある雰囲気を作り出すようにしていきましょう。

効率的な動線

店内の動線設計は、快適な空間づくりの基本要素です。スタッフの作業効率とお客様の利便性を両立させた動線計画が必要となります。特に居酒屋では酔客が多くなるため、怪我をしないよう安全に配慮した動線とレイアウトが必要です。


カウンター席の後ろには最低60センチメートルの通路幅を確保しましょう。テーブル同士の間隔も人ひとりがスムーズに移動できるほどの空間が必要です。


トイレや会計場所への動線も明確にし、他のお客様の邪魔にならない配置にしなければなりません。効率的にサービスができるよう、厨房からの料理提供や下げ膳の動線も考慮しましょう。動線がしっかり考えられているお店は、お客様の満足感も高いものです。

最適な客席レイアウト

人が心地よさを感じるためには「自分や他人の動きにイライラを感じない」ようにする必要があります。自分が動きやすく、スタッフがサービス提供しやすく、他のお客様の邪魔にならない、そんなレイアウトを考えることが、お店の成功につながります。

テーブル席のレイアウト

テーブル席のレイアウトは、混雑具合や予約状況に応じて変更できるような柔軟性のある配置を心がけます。少人数での利用から、宴会など大人数での利用まで、さまざまなニーズに対応できるレイアウトを検討しましょう。


ただし、居酒屋の場合は、傾向として料理のお皿が複数並ぶことになるため、2名用のテーブルでは狭くなってしまいます。そのため基本は4名用のテーブルにし、柔軟に対応できるように並べましょう。


テーブルとテーブルの間には十分な通路幅を確保し、お客様とスタッフが快適に移動できるようにすることが大切です。また、他のお客様の視線が気にならない配置や、周囲の騒音の影響を考慮した席の配置なども考えるようにしてみてください。

カウンター席のレイアウト

カウンター席は、お客様とスタッフの距離が近く、コミュニケーションが生まれやすい居酒屋の中心的な空間です。常連のお客様が気軽に立ち寄れるような雰囲気づくりを目指しましょう。


特に、一人飲みのお客様にとって、カウンター席は居心地の良い空間となります。店内が狭い場合でも、カウンターを中心とした配置にすることで、効率的な空間活用が可能です。また、オープンキッチンと組み合わせでは調理の様子が見えるため、活気のある空間を演出できます。カウンターはなるべく店の入り口近くに設置するようにし、一人客を呼び込みやすくしましょう。

適切な照明と音響

照明計画は、店内の雰囲気作りに大きな影響を与える重要な要素です。全体照明とスポット照明を組み合わせることで、場所によって明るさを変え、空間に奥行きと変化を持たせるようにしましょう。


カウンターやテーブル上にはペンダントライトやスポットライトを設置することで、料理が美しく見せます。作業エリアは明るめに設定し、スタッフが働きやすい環境を確保するようにしましょう。また、エントランスや通路、トイレなどの共用部分は、雰囲気を重視しつつも安全性を考慮した適切な明るさが必要です。


時間帯や用途に応じて明るさを調整できる照明システムを導入することで、より柔軟に空間が演出できます。

衛生面とメンテナンス性

居酒屋の内装を考える際には、見た目のデザイン性だけでなく、衛生面や日々のメンテナンス性も非常に重要なポイントです。どれほどおしゃれな内装でも、汚れや劣化が目立てば、お客様に不快な印象を与えてしまいかねません。


特に、飲食店では油・アルコール・食べこぼし・湿気など、内装を傷めやすい要素が多く存在します。そのため、素材選びの段階から「汚れに強い」「掃除しやすい」「劣化しにくい」といった観点を押さえておくことが大切です。


たとえば以下のような選び方が、清潔な店内を保つうえで大きな効果を発揮します。

  • 床材は滑りにくく、かつ拭き取りやすい素材(塩ビタイルなど)を選ぶ
  • 壁には汚れが染み込みにくいパネルや耐水性クロスを使用する
  • カウンターやテーブルはアルコール清掃に耐えられる素材を採用する


また、厨房と客席の間仕切り、トイレ周辺など特に汚れが発生しやすい場所には、メンテナンス性を優先した設計を行うこともおすすめです。内装の段階で清掃のしやすさを考慮しておくことで、オープン後の負担やコストを大きく減らせます。


衛生面とメンテナンス性を重視した内装設計は、スタッフの負担軽減だけでなく、顧客満足度の向上やリピーター獲得にもつながる大切な要素なのです。

居酒屋の内装デザインにおけるスタイル別ポイントと注意点

居酒屋の内装スタイルは、お店のコンセプトやターゲット層によって大きく異なります。ここでは、代表的なスタイルごとの特徴と、内装デザインで気を付けるべきポイントを解説します。

和風・和モダンスタイルの居酒屋

木の温もりを感じる落ち着いた空間は、和風・和モダンスタイルならではの魅力です。無垢材のテーブルや格子の間仕切り、障子風の照明などを使うことで、静かで上質な雰囲気を演出できます。さらに、間接照明を使えば柔らかく落ち着いた印象になり、ゆったりと過ごしたいお客様にも好まれるでしょう。


ただし、注意したいのは「古臭さ」や「暗さ」に見えてしまうリスクです。あまりに伝統的な素材や色味ばかりを使うと、重たい印象になってしまうこともあります。


そのため、壁材や照明デザインに現代的な要素を少し取り入れるなど、“和の雰囲気”と“モダンさ”のバランスをとるようにしましょう。落ち着いた居酒屋を目指す方や、30代以上の客層をターゲットにしている場合に特におすすめのスタイルです。

カジュアル・大衆スタイルの居酒屋

明るくにぎやかな雰囲気が特徴の大衆居酒屋スタイルには、壁一面の手書きメニュー、赤ちょうちん、ビールケースの椅子など、親しみやすさや昭和レトロ感を演出するアイテムがよく使われます。価格帯も手頃で、会社帰りのサラリーマンや学生など、幅広い層に支持されやすいスタイルです。


一方で、にぎやかさを演出するあまり、店内が雑然とした印象になってしまうリスクもあります。特に、壁に貼るメニューやポスターが増えすぎると清掃がしにくく、汚れが目立つ原因にもなりかねません。


このスタイルでは、装飾と整理整頓のバランスをとることが重要です。定期的に装飾を見直す、清掃しやすい素材を使うといった工夫で、清潔感を保ちつつも活気がある空間を維持するようにしましょう。

バル・おしゃれスタイルの居酒屋

カウンター中心でコンパクトな空間でも映えるのが、バル風やおしゃれ系の内装です。タイル・レンガ・アイアン素材などを組み合わせたインテリアや、ペンダントライトの照明演出で、洗練された印象を与えられます。


特に、少人数での来店が多い店舗や、SNSでの拡散を意識したブランディングを行いたい場合にはぴったりのスタイルです。


ただし、デザインを重視しすぎるあまりに視認性が悪くなったり、動線が複雑になってしまうケースもあるので注意しなければなりません。席数確保を重視した結果通路が狭くなったり、厨房との連携が取りづらかったりするレイアウトにならないよう配慮しましょう。


バル風スタイルは、「おしゃれだけど使いにくい」にならないよう、オペレーション効率とのバランスがカギです。

居酒屋内装の費用相場とコストの抑え方

居酒屋の内装工事費用がどのくらいかかるかは、コンセプトやオーナーのこだわり、借りる物件の坪単価などによって大きく変化します。そのため、ここではあくまで目安として、坪数20前後の居酒屋の内装工事費用とコストの抑え方について解説します。

坪単価でみた費用相場

内装工事費は一般的に、坪単価で考えることが多くなります。単価は借りる物件の状態、つまり「スケルトン」か「居抜き」かによって大きく変化します。スケルトン物件とはコンクリートがむき出し状態の、何もない空きテナントのこと。そして居抜き物件とは前のお店の内装や設備が残ったままの空きテナントのことです。


スケルトン物件の費用相場は1坪あたり30〜60万円。0から作り上げていくため、思い通りのデザインにできますが、費用は高めになります。一方、居抜き物件の場合の坪単価は1坪あたり10〜35万円です。ただし、通常居抜き物件を借りる場合は、賃料とは別に造作譲渡料が発生します。そのため、前所有者との交渉が必要です。

内装工事の主な内容と費用目安

20坪前後のスケルトン物件を借りて居酒屋を営業しようとする場合、工事費用は最低限でも以下のようにかかります。合計で600万円程度が必要となる、その中身を表にしました。

工事内容費用相場
設計・デザイン・施工管理費35万円~
カウンターや棚などの造作工事80万円~
床や壁の左官工事50万円~
塗装工事30万円~
建具工事30万円~
間仕切り設置60万円~
トイレ工事50万円~
水道・電気・ガス工事150万円~
空調工事80万円~
防災工事25万円~


重ねて記載しますが、物件の種類や広さ、立地、状態などでこの金額は前後します。

コストの抑え方

予算を守るため、さまざまなことを工夫してコストを抑えるようにしましょう。以下の方法を試してコストダウンできれば、その分、注力したいところへ予算を使えるようになります。

  • 居抜き物件を狙う
  • 予算は上限を決めて伝える
  • リサイクル品の利用やDIYも検討する
  • 業者は複数の中から見積もりを取って選ぶ

居抜き物件を狙う

前述したように、スケルトン物件に比べると設備が残されている居抜き物件は費用がかかりません。極端な話では、1週間程度で新しいお店として営業開始も可能です。


ただし、コストダウンを求めて居抜き物件を探すのであれば、前テナントが居酒屋だったところを探すようにしましょう。その状態が良ければ、軽めの内装工事だけで済みます。前テナントがサロンや軽食のみのカフェだった場合などは、新しく整った厨房設備工事が必要となるため、あまり費用は抑えられませんので注意が必要です。

予算は上限を決めて伝える

予算は上限を決め、それを業者に伝えておくことが大切です。親切で誠実な業者であれば、その範囲内で最大限できることを提案・検討してくれます。その範囲内での施工が業者では難しいということがあれば、オーナー側も積極的に工夫していくようにしましょう。

リサイクル品の利用やDIYも検討する

一般家庭用のみならず、業務用の設備や什器もリサイクルショップで扱われています。厨房機器やテーブル、椅子、収納棚などは、状態のよい中古品を使うことで大きくコストを抑えられます。


また、壁紙を貼る・壁にペンキを塗る・収納棚を設置するなど、DIYでできることがあれば自分ですることも考えてみましょう。

業者は複数の中から見積もりを取って選ぶ

コンセプトやオーナーのこだわり、予算上限を話しても、業者によって得意・不得意は違いますし、できることとできないことがあります。経験値や技量も異なるため、安いから、割引額が大きいから、などの理由で飛びつくのはやめ、必ず複数の業者から見積もりを取るようにしてください。


工事が始まってから思っていたのと違うという話になると、余計な費用がかかることになってしまいます。見積書やそのときの対応、業者のホームページにある実績などを確認し、妥協せずに探すようにしましょう。

まとめ

居酒屋の内装デザインは、お客様の満足度に直結する重要な要素です。コンセプトの明確化から、具体的な設備の選定まで、多岐にわたる検討が必要となります。


店舗内装のプロフェッショナルである「株式会社バイソン」では、豊富な経験と専門知識を活かし、お客様のご要望に沿った最適な内装デザインをご提案いたします。東海4県での店舗内装工事実績を多数有しており、安心してご相談いただけます。まずはお気軽にご相談ください。

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