

店舗のトイレ内装デザイン! ポイント・工事の流れ・費用相場とは?

店舗のトイレ内装は、お客様の印象を大きく左右する重要な要素です。清潔で快適なトイレは、お店全体の評価を高め、お客様の満足度やリピート率にも影響します。この記事では、店舗のトイレ内装デザインについて、トイレの内装にこだわるべき理由や工事の内容・流れ・費用相場、内装デザインのポイントなどを解説します。
店舗トイレの内装工事とは?

店舗のトイレ内装工事とは、単なる設備の入れ替えにとどまりません。空間の印象を左右するデザイン性や、快適性・衛生面の機能性を向上させるために行う、リニューアル工事です。そのため、床や壁材の張り替え、便器の交換、照明や洗面台の入れ替え、動線やバリアフリー設計の見直しなど、さまざまな要素が含まれます。
お客様にとってトイレは「お店の姿勢が現れる場所」です。店舗の第一印象を左右する入り口と同じくらい、トイレも評価の対象になります。では、店舗トイレの内装にこだわるべき理由や主な工事内容をみていきましょう。
店舗トイレの内装にこだわるべき理由
トイレがきれいかどうかは、お客様が店舗に抱く印象を大きく左右します。理由としては、いくら店内が華やかでも、トイレが古くて汚れていれば「清掃が行き届いていない=衛生管理が不十分」というネガティブな印象につながってしまうためです。
逆に、清潔感があり快適に使えるトイレは、安心感や信頼感を与え、顧客満足度を高める要素となります。「また来たい」と感じさせるために、目立たない場所にも十分配慮するようにしましょう。
また、SNSが大きな力を持つ近年では、トイレの内装がSNSで話題になる時代です。おしゃれで個性的なデザインや、ホテルライクな洗練された空間は、「トイレが素敵だった!」という口コミや写真投稿につながることもあります。SNS映えするトイレ空間が集客の一助になることも珍しくありません。たとえばX(旧Twitter)では、大阪万博のトイレやカフェ、キャンプ場のトイレなどがきれいだというポストも散見されます。
トイレの内装工事の主な内容
以下がトイレの内装工事の主な内容です。
- トイレ本体の交換
- 床や壁材の張替え
- 洗面・照明設備の交換
- 動線やバリアフリー設計など
現在のトイレが持つ問題点や改善したい点を明確にし、ひとつずつ改善していきましょう。清潔を守りやすくするために素材を選び、お客様が使いやすいように動線も改善します。
業種別トイレ内装の特徴
業種によって、求められるトイレ空間の特徴も変わってきます。
- 飲食店:清潔感と臭い対策が最優先。空気清浄機や消臭設計も有効です。
- 美容室やサロン:デザイン性の高さが評価されやすく、ラグジュアリーな空間が好印象。
- クリニックや薬局:安心感・清潔感に加え、バリアフリー対応が不可欠です。
それぞれの業種に合った内装にすることで、顧客のニーズに応えられ、店舗全体のブランディングにもつながります。
店舗トイレの内装デザイン例

以下はトイレの内装でよく使われるデザインの系統です。それぞれのテイストには異なる魅力があり、店舗のコンセプトや顧客層に応じて選ぶことで、トイレ空間もブランディングの一部として活用できます。
- ナチュラル系
- ラグジュアリー系
- ホテルライク系
ナチュラル系
ナチュラル系は、木目調の素材やアースカラー(ベージュ・ブラウン・グリーンなど)を使った、温かみのある空間が特徴です。自然素材風のクロスやタイル、観葉植物などを取り入れることで、リラックス感のあるトイレになります。
また、ナチュラル系は性別や年齢を問わず万人受けしやすいデザインです。特に、カフェやオーガニック志向の店舗など「落ち着く」「ほっとする」印象を与えたい店舗におすすめします。
ラグジュアリー系
ラグジュアリー系は、高級感を演出する素材や照明を使い、非日常感のある空間をつくるスタイルです。大理石調のタイルや光沢のある壁面、間接照明、ゴールドやブラックといった深みのあるカラーリングがよく使われます。高級レストランやラウンジ、ハイエンドな美容サロンなどにぴったりです。
お客様に「特別な体験」を提供したい店舗では、ラグジュアリーなトイレ空間が印象をより強く残す要素になるでしょう。
ホテルライク系
ホテルライク系は、清潔感・機能性・洗練されたデザインを兼ね備えた上質な空間を目指すスタイルです。白やグレーを基調に、シンプルで直線的なデザインが多く、収納や動線にも配慮されているという特徴があります。
ハンドソープやアメニティの配置、照明の明るさにもこだわることで、「使いやすく快適」かつ「上品」な印象を与えます。
医療機関・ホテル・企業の受付スペースなど、信頼感や安心感が求められる業種におすすめです。
店舗トイレの内装デザインのポイント

店舗のトイレ内装をデザインする際は、いくつかの重要なポイントがあります。これらのポイントを押さえることで、お客様に喜ばれるトイレ空間を作っていきましょう。
店舗の内装と統一感を出す
店舗の内装と統一感を出すことが大切です。たとえば店舗は上品でクラシック、重厚感がある内装のバーであるのに、トイレだけはカラフルでカジュアルな内装だと、お客様は違和感を覚えるでしょう。違和感が居心地の悪さにつながってしまうと、リピート率が低下してしまいます。
店舗内装がカジュアルならトイレ内装もカジュアル、ラグジュアリーならラグジュアリーと、統一感を出すようにしてください。トイレットペーパーホルダーや手洗い器、手すりなどの設備は、機能性だけでなくデザイン性を追求すると世界観を表現できます。
素材を選んで清潔を保ちやすくする
トイレは清潔さが欠かせません。スタッフが清掃しやすくきれいな状態を保ちやすいように、汚れが目立ちにくい素材や配色を選ぶことが大切です。
床材は、水に強く、滑りにくいものを選びましょう。タイルは耐水性があり、掃除もしやすいので人気があります。塩ビシートも水に強く、柔らかい質感で歩きやすいのが特徴です。また、クッションフロアは衝撃を吸収するので転倒時の怪我を防ぐ効果があります。どの素材を選ぶ場合も、防滑性のあるものを選ぶことが大切です。
そして壁材は湿気に強く、汚れが付きにくいものを選びましょう。クロスを使用する場合は、汚れが拭き取りやすい塩ビ製のものがおすすめです。抗菌や防カビ機能付きのクロスもあります。
照明を工夫して空間を演出する
トイレの明るさは、清潔感を演出する重要な要素です。暗いトイレは不潔でじめじめした印象を与えますが、明るすぎても落ち着かない印象を与えます。適度な明るさを保つために、天井や壁面に照明を効果的に配置しましょう。天井はダウンライトを配置し、さらに光が必要な箇所には間接照明を使ってみてください。
また、鏡の周りに照明を設置すると顔を映す際に明るく見え、化粧直しなどがしやすくなります。清潔感を演出するには、白や淡い色を基調とした内装が効果的です。
清潔感や心地よさを演出する色合いにする
トイレの色彩選択は、お店全体の雰囲気と調和させることが大切です。落ち着いた色調は、リラックスできる空間を作り出します。例えば、ベージュやグレーなどのニュートラルカラーを基調とし、木目調の素材を取り入れると、温かみのある落ち着いた雰囲気になります。
一方で、明るい色や鮮やかな色をアクセントとして使うと、空間に活気を与えることができます。ただし、強すぎる色彩は避け、バランスを考えて使用しましょう。
店舗のトイレに求められる4つのこと

自宅と違い、店舗のトイレには、多くの場合で以下のことが求められます。
- 子どもと入れる広さ
- ハンドドライヤー
- 身だしなみチェック鏡
- 目立たない収納
ファミリー層が利用する店舗であれば、トイレは子どもが使う際に親も同時に入れる広さがあると便利です。また、衛生のためのハンドドライヤーや身だしなみを整えられる鏡も必要となります。清掃道具を入れる収納をトイレ内に作る場合は、目立たないように壁にスッキリ入るように作ることがおすすめです。
トイレ内装工事にかかる費用相場

トイレの内装工事にかかる費用相場をみていきましょう。以下が必要な項目です。予算を決定する際の目安として参考にしてください。
- 床材
- 壁材
- トイレ本体
- ハンドドライヤー
- 古いトイレ本体の処分
床材
素材に何を選ぶかで費用は大きく異なりますが、一般的なクッションフロアやモルタルなどの場合、1㎡当たり2,500〜5,000円程度が目安です。少々ゆったりした広さとなる4㎡(約2.5畳)のトイレだとすると、トイレの床の張替え費用は2万円以内で収まるでしょう。ただし、トイレ本体の位置を動かす場合にはプラスで費用がかかります。
壁材
一般的なクロスの張替えでは、1㎡あたり1,200円程度が目安です。撥水など機能性がある壁紙材を選ぶとさらに費用は上がりますが、2畳程度のトイレの壁面積が15㎡と仮定すると、こちらも2万円ほど見ておくとよいでしょう。
トイレ本体
トイレ本体は、種類によって費用が大きく異なります。素材や機能によっても異なりますが、代表的なトイレ本体の種類の相場価格は以下の通りです。
種類 | 相場価格 | メリット | デメリット |
組み合わせトイレ | 5~10万円 | 比較的安価 | 掃除がしにくい |
一体型トイレ | 10~25万円 | 掃除がしやすい | 故障時は全体の交換が必要 |
タンクレストイレ | 20~35万円 | 掃除がしやすい/コンパクト | 故障時には全体の交換が必要 |
キャビネット付きトイレ | 25~35万円 | すっきりとしたデザインで収納付き | 水を一定量溜める必要がある/スペースが限られている |
ハンドドライヤー
壁掛けタイプと据え置きタイプがあり、大きさや機能によっても費用が異なるため、費用相場は4〜20万円と幅があります。タオルペーパーやタオルの設置に比べて初期費用がかかりますが、長期的視点ではコストを抑えられるでしょう。
古いトイレ本体の処分
トイレ本体を交換する場合は古いトイレの処分費用がかかります。1台につき3,000〜1万円です。ただし、和式から洋式になる際には処分費用が高くなる場合があります。
トイレ内装工事の流れと注意点

トイレの内装工事は、以下の流れで行われます。
- 現地調査
- プラン決定
- 施工開始
- 引き渡し
トイレの内装工事を始める前に、十分な設計と予算計画を立てることが非常に大切です。希望するデザインや必要な設備をリストアップし、それに基づいて設計図を作成します。このとき、専門家のアドバイスを受けると、より実用的で魅力的な設計ができます。
予算計画では、材料費、工事費、設備費などを細かく見積もってください。予想外の出費に備えて、全体の10〜20%程度の予備費を設けておくことがおすすめです。また、工事の期間や手順も事前に計画し、店舗の営業への影響を最小限に抑える方法を考えるようにしましょう。
工事期間中の営業対策もする
トイレの内装工事中も、できるだけ通常営業を続けたいものです。工事期間中の営業対策として、いくつかの方法があります。まず、工事を営業時間外や閑散期に行うことを検討しましょう。
昼夜を問わず営業している店舗の場合、工事を段階的に行い、一部のトイレは常に使用できるようにする方法もあります。
トイレ内装工事で注意すべき法規制と衛生基準
トイレの内装工事を行う際は、関連する法規制や衛生基準を遵守することが非常に重要です。まず、建築基準法に基づく構造や設備の基準を満たす必要があります。特に飲食店の場合、保健所の基準に従ってトイレを設置しなければなりません。たとえば、手洗い設備の設置や床の材質、換気設備などに細かい規定があります。
また、バリアフリー法に基づき、一定規模以上の店舗では多目的トイレの設置が義務付けられています。これらの法規制や基準は地域によって異なる場合もあるため、地元の行政機関に確認が必要です。工事を行う前に、必須許可や申請手続きを確認し、適切に対応しましょう。
まとめ
店舗のトイレ内装デザインは、お客様の満足度と店舗の印象に大きく影響します。清潔感と快適さを重視しつつ、デザイン性と機能性のバランスを取り、お店の雰囲気に合わせた内装を心がけましょう。
トイレ内装工事では、事前の計画や法規制への対応、工事中の営業対策など、様々な点に注意が必要です。専門的な知識や経験が求められるため、トイレ内装のプロフェッショナルに相談することをおすすめします。
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