

おしゃれな内装デザインの作り方とは?プロが教える失敗しないポイントを解説

新しく店舗を作ったり、現在の店舗を改装しようと考えるとき、多くの方が内装デザインに悩みます。内装デザインは、空間を快適で美しくする重要な要素です。しかし、どのようにして理想の内装デザインを実現すればよいのでしょうか。この記事では、プロの視点から内装デザインの基本や人気のスタイル、失敗しないためのポイントについて解説します。
内装デザインとは?

内装デザインとは、空間の中で目に見える要素、つまり壁、床、天井、照明、家具、装飾などをトータルに設計・コーディネートすることを指します。インテリアデザインや空間デザインといった言葉もよく使われますが、内装デザインはそれらを包括したものです。見た目の美しさだけでなく、使い勝手や機能性、動線の工夫までを含む総合的な設計分野なのです。
住宅の内装では「居心地の良さ」や「家族構成への配慮」が重視されますが、店舗の内装デザインではさらに「集客力」「回転率」「ブランドイメージ」などのビジネス的な視点が求められます。
つまり、内装デザインは“魅せる”と“稼ぐ”を両立させる空間戦略ともいえるのです。
内装デザイン施行の流れ
店舗の内装デザインの施行について、大きな流れは以下の通りです。
- コンセプト決定
- レイアウト・動線設計
- デザイン決定
- 図面作成・施工会社の選定
- 施行から引き渡し、開店準備
ここで最も大切なことは、コンセプトです。自分の思い描く内装にするためには、コンセプトをしっかり考えて決めておくようにしましょう。
「高級感溢れる寛ぎのサロン」や「カジュアルで爽やかな会話が弾む居酒屋」「刺激的でフレッシュなスタンドバー」などといったコンセプトが十分に考えられていないと、デザインや動線などすべてのことで「ズレ」が起きてしまい、結果としてお店の魅力が削がれることになってしまいます。
全体の流れが滞らずスムーズに引き渡しまで行けるよう、最初にしっかり希望を決めておきましょう。
内装デザインで理想の空間を作るための4ステップ

内装デザインを成功させるためには、計画的なアプローチが必要です。ここでは、理想の空間を作るための3つの重要なステップを紹介します。
1.好みのスタイルを見つける
まず大切なのは、自分の好みのスタイルを見つけることです。雑誌やインターネットでさまざまな店舗内装デザインを見て、どのような雰囲気が自分に合っているかを考えましょう。
モダンやナチュラル、和風など、たくさんのスタイルがあります。それぞれの特徴を理解し、お店の業態に合わせて選びます。
2.カラーバランスを考える
次に、店内の色使いを考えます。色は空間の印象を大きく左右するため、求めるイメージに応じて考えてみましょう。たとえば明るい色は部屋を広く感じさせポジティブな気持ちにさせますが、暗い色は落ち着いた雰囲気を作りリラックスさせます。
主な色(メインカラー)と、それを引き立てる色(アクセントカラー)を決めてください。ただしその際、色が多すぎると雑然とするため、3色以内に抑えるようにしましょう。色の組み合わせによっても、部屋の雰囲気を大きく変えられます。
3.素材選びにこだわる
使用する素材を選びます。床や壁、家具などの素材は、見た目だけでなく触り心地も大切です。木や布、金属など、それぞれの素材には特徴があります。
部屋の用途や好みに合わせて適切な素材を選びましょう。無機質な感じを出したい場合はコンクリート柄のクロス、格好良さを出したい場合はアイアンや石材、温かみを出したい場合は木材や優しい色のファブリックを使うなど、コンセプトに合わせて全体を決めていきます。
4.スタッフ・お客様ともに動きやすいレイアウトを考える
店舗の内装においては、動線設計が非常に大切です。厨房、客席、トイレ、会計場所などの位置関係が悪ければ動くたびにストレスが発生し、どれだけ見た目がよくても運営成功は難しくなります。
スタッフの動線とお客様の動線が交差しないように設計すると、サービスの提供がスムーズにできるため、快適に接客ができます。また、配膳しやすくお客様が移動しやすい通路幅の確保も重要です。
業種別・店舗内装デザインのポイント

店舗の内装デザインは、業種によって求められる要素や優先順位が大きく異なります。ただおしゃれにするだけではなく、業種特有の機能性や利用者の心理に配慮することで、より成果につながる空間を作っていきましょう。
飲食店の場合
飲食店の内装では「お客様に居心地のよさを提供する」ことと、「回転率を落とさない工夫」のバランスが重要です。たとえば、カフェのように長居が前提の空間では、柔らかい照明やゆったりした座席レイアウトが有効ですが、ランチタイムの回転率を重視する業態では、動線をコンパクトにまとめる設計が求められます。
また、前述したように、厨房とホールの動線も見逃せないポイントです。配膳や下げ物の効率が悪いとスタッフの動きが無駄になり、サービスの質が落ちてしまいます。客席の配置と厨房のレイアウトをセットで考えることが、飲食店成功のカギです。
飲食店の施工事例は、こちらからご覧ください
美容室・サロンの場合
美容室やリラクゼーションサロンでは、「落ち着いて自分と向き合える空間」が求められます。隣の席と距離が近すぎたり、視線が気になるような設計では、お客様の満足度を下げかねません。鏡の配置やパーテーションの使い方で、適度なパーソナルスペースを確保しましょう。
さらに「非日常感」を演出するデザインも効果的です。照明の色温度を下げてリラックス感を演出したり、家具や壁材にこだわって高級感を出すことで、特別な体験が提供できます。空間全体で“癒し”や“ときめき”を届けることを目指しましょう。
美容室の施工事例は、こちらからご覧ください
物販・アパレル系の場合
物販やアパレルの店舗では、内装そのものよりも「いかに商品を魅力的に見せるか」が最大の目的です。そのため、壁紙や床材で個性を出すよりも、商品が映えるシンプルで洗練された内装が選ばれる傾向があります。
また、自然な導線づくりと照明の工夫も重要です。店内を歩くうちに自然と視線が商品に向かうよう、棚や什器の配置を設計し、スポットライトで魅力的に演出します。回遊性を高める導線と視認性の高い陳列で、購買意欲を高める空間に仕上げましょう。
アパレル店舗の施工事例は、こちらからご覧ください
クリニック・治療院の場合
医療や治療を提供する施設では、来院者が安心して過ごせる空間づくりが第一です。清潔感のある配色(白やベージュ、淡いグリーンなど)を基調とし、過度な装飾は避けて落ち着いた雰囲気を演出しましょう。
さらに、診察内容や施術中の会話が外に漏れにくいレイアウトや遮音対策も大切です。受付・待合スペースと診療スペースを明確に分けたり、カーテンやパーテーションで視線を遮るなど、プライバシーに配慮した設計が信頼感につながります。
クリニックの施工事例は、こちらからご覧ください
人気の内装デザインスタイル5選

内装デザインには様々なスタイルがありますが、ここでは特に人気の高い5つのスタイルを紹介します。自分の好みや生活スタイルに合うものを見つけてみましょう。
モダンな内装デザイン
モダンなデザインは、シンプルで洗練された印象が特徴です。直線的な形や、白や黒などのはっきりとした色使いが多く見られます。余計な装飾を省いた、すっきりとした空間を作ります。機能性を重視する人や、都会的な雰囲気が好きな人におすすめです。
ナチュラルな内装デザイン
ナチュラルデザインは、自然の素材や色を多く取り入れたスタイルです。木や石などの自然素材を使い、ベージュや茶色などの落ち着いた色調が特徴です。温かみがあり、リラックスできる空間を作ります。自然が好きな人や落ち着いた雰囲気を求める人に適しています。
和モダンな内装デザイン
和モダンは、日本の伝統的な要素と現代的なデザインを組み合わせたスタイルです。畳や障子などの和の要素を取り入れつつ、シンプルで洗練された空間を作ります。日本の文化を大切にしたい人や和と洋の融合を楽しみたい人におすすめです。
インダストリアルな内装デザイン
インダストリアルデザインは、工場や倉庫のような雰囲気を取り入れたスタイルです。むき出しの配管やコンクリートの壁などが特徴です。金属やレンガなどの素材を使い、男性的で力強い印象を与えます。個性的な空間を好む人やアーティスティックな雰囲気を求める人に向いています。
北欧風の内装デザイン
北欧風デザインは、シンプルさと機能性を重視したスタイルです。明るい色使いや木製の家具が特徴です。自然光を多く取り入れ、明るく開放的な空間を作ります。温かみのある雰囲気とすっきりとした印象を両立させたい人におすすめです。
内装デザインで失敗しないための5つのポイント

内装デザインを成功させるための重要なポイントをみていきましょう。以下の5つを意識することで、より魅力的で快適な空間を目指してください。
1.全体のバランスを重視する
内装デザインで大切なのは、部屋全体のバランスです。家具や装飾品の配置、色使い、素材の組み合わせなど、すべての要素がうまく調和していることが求められます。1つの要素だけが目立ちすぎないよう、全体を見渡して調整しましょう。
2.照明計画を慎重に行う
照明は、部屋の雰囲気を大きく左右します。どのようなお店を経営するかによって照明の明るさや色合いは変化するため、業種にあったものをとりいれるようにしましょう。
- 高級感を出したい/落ち着く雰囲気がほしい:天井に近い部分を明るくし、下に向かって暗くなるようにする
- ゆったり寛いでほしい:オレンジ色がかった照明で手元を照らす
- 明るく活気ある雰囲気/回転率を重視する:全体的に標準より明るく白っぽい色の照明にする
自然光の入り方を考慮しつつ、人工照明の配置や種類を慎重に選びましょう。
3.収納スペースを効果的に配置する
美しい内装デザインを維持するためには、十分な収納スペースが欠かせません。部屋の形や大きさに合わせて、使いやすい収納スペースを計画しましょう。見せる収納と隠す収納をうまく組み合わせることで、機能的でおしゃれな空間が作れます。
4.床材の選択に気を付ける
床は部屋の印象を決める重要な要素です。耐久性や手入れのしやすさだけでなく、デザイン性も考慮して選びましょう。木目調のフローリングやタイル、カーペットなど、様々な選択肢があります。部屋の用途や全体の雰囲気に合わせて、適切な床材を選択することが大切です。
5.アクセントウォールを上手に取り入れる
アクセントウォールは、部屋に変化と個性を与える効果的な方法です。壁紙や塗装、タイルなどを使い、一面だけ異なるデザインにすることで、空間にメリハリをつけられます。ただし、派手すぎないよう注意し、全体のバランスを崩さないようにしましょう。
プロの内装デザイナーに相談するメリット

内装デザインを自分で考えるのは楽しいことですが、プロの内装デザイナーに相談することで、より質の高い空間を作り出せます。では、プロに相談するメリットについてみていきましょう。
専門知識と経験による的確なアドバイス
プロの内装デザイナーは、豊富な知識と経験を持っています。色の組み合わせや素材の選び方、空間の使い方など、細かな点についても適切なアドバイスができるうえに、動線や法令(消防・衛生)にも詳しいため確実です。
店舗の内装では「建築基準法」「消防法」「食品衛生法」「バリアフリー法」など、複数の法規制が関わります。法令を知らないままで内装を進めると、後からやり直しや改修が発生するリスクがありますが、専門家がいれば最初から法令に合ったレイアウトや素材選びが可能です。
自分では気づかなかった視点を提供し、より洗練された内装デザインを実現できるだけでなく、トラブルや罰則のリスクを回避できます。
予算内での最適な提案
内装デザインには予算が伴います。プロのデザイナーは、与えられた予算内で最大限の効果を発揮する方法を知っています。高価な素材だけでなく、リーズナブルな選択肢も含めて、予算に応じた最適な提案をしてくれます。
トレンドを取り入れた斬新なアイデア
内装デザインのトレンドは常に変化しています。プロのデザイナーは、最新のトレンドに精通しており、それらを取り入れた斬新なアイデアを提案してくれます。ただし、流行りすぎて短期間で飽きてしまうようなデザインは避け、長く愛用できるデザインを提案してくれるでしょう。
まとめ
内装デザインは、私たちの生活空間を快適で美しくする重要な要素です。この記事では、内装デザインの基本的なステップや人気のスタイル、失敗しないためのポイントなどを紹介しました。これらの知識を参考にしながら、自分らしい店舗の空間づくりを楽しんでみてください。
とは言え、内装デザインは専門的な知識や経験が必要な分野です。より質の高い空間を作りたい場合や、困ったことがある場合は、プロの力を借りることをおすすめします。
株式会社バイソンでは、経験豊富な内装デザイナーがお客様のご要望に合わせて最適な提案をいたします。おしゃれで快適な空間づくりのため、ぜひ当社へご相談ください。