カフェを開業する際、内装費用は重要な検討事項の一つです。予算を立てる上では、内装にいくらかかるのかを把握しておく必要があります。なるべく費用を抑えつつ、理想のカフェ内装を実現するためのポイントがあるならば、事前に知っておきたいですよね。この記事では、カフェの内装費用の相場と費用を安く抑えるコツについて解説します。
カフェの内装費用の相場は?
カフェの内装費用は、店舗の広さや立地、内装のグレードなどによって大きく異なります。ここでは、内装費用の内訳や坪単価から見る相場、物件の種類による費用の違いについて見ていきましょう。
内装費用の内訳
カフェの内装費用は、大きく分けて「設計費」「施工費」「設備費」の3つに分類されます。設計費は、デザインや設計図面の作成に必要な費用です。施工費は、実際の工事に必要な費用で、材料費や人件費などが含まれます。設備費は、厨房機器や照明、空調設備などの費用です。
内装費用の内訳の割合は、店舗によって異なりますが、おおよそ以下のような比率になることが多いです。
- 設計費:10~20%
- 施工費:50~70%
- 設備費:20~30%
坪単価から見る内装費用の相場
内装費用の相場を知るためには、「坪単価」を把握することが重要です。坪単価とは、1坪(約3.3平方メートル)あたりの内装費用のことを指します。
参考記事によると、カフェの内装費用の坪単価相場は、以下のような範囲になります。
- ローグレード:30~50万円/坪
- ミドルグレード:50~80万円/坪
- ハイグレード:80~150万円/坪
ただし、これはあくまでも目安であり、実際の費用は店舗の条件や地域、工事内容によって大きく異なります。
物件の種類による内装費用の違い
内装費用は、物件の種類によっても異なります。物件は大きく分けて、「居抜き物件」と「スケルトン物件」の2種類があります。
居抜き物件とは、前の店舗が使用していた内装や設備をそのまま引き継ぐことができる物件のことです。内装工事の費用を抑えられるメリットがありますが、前の店舗の内装が自分の理想とは異なる場合は、改装が必要になります。
スケルトン物件とは、内装や設備が何もない状態の物件のことです。内装を一から自由に設計できるメリットがありますが、その分工事費用は高くなります。
物件の種類による内装費用の目安は、以下のようになります。
- 居抜き物件:20~40万円/坪
- スケルトン物件:40~80万円/坪
カフェの内装デザインで重要なポイント
カフェの内装デザインを考える上で、重要なポイントがいくつかあります。ここでは、店舗コンセプトの明確化、ターゲット顧客層の意識、動線や導線の考慮、照明や色使いによる雰囲気作りについて解説します。
店舗コンセプトを明確にする
カフェの内装デザインを考える前に、まずは店舗コンセプトを明確にすることが重要です。コンセプトとは、店舗の目指す方向性や価値観のことで、例えば「おしゃれな街のオアシス」「ゆったりとくつろげる空間」などがあります。コンセプトを明確にすることで、内装デザインの方向性を定めることができます。コンセプトに合わない内装は避けるべきです。
ターゲット顧客層を意識する
カフェのターゲット顧客層を意識することも重要なポイントです。ターゲット顧客層とは、カフェに来てほしい客層のことで、例えば「20代の女性」「子育て中の主婦」などがあります。
ターゲット顧客層によって、求められる内装デザインは異なります。例えば、若者向けのカフェであれば、おしゃれでスタイリッシュな内装が求められますが、主婦向けのカフェであれば、落ち着いた雰囲気の内装が好まれます。
動線や導線を考慮する
カフェの内装デザインを考える上で、動線や導線を考慮することも重要です。動線とは「お客さんの動き」を指します。一方、導線とは「お客さんを誘導する動き」を意味します。
動線や導線がスムーズでないと、お客さんはストレスを感じてしまいます。レジや注文カウンター、トイレの位置などを考えて、お客さんが迷わないような動線を設計しましょう。
照明や色使いで雰囲気作り
カフェの雰囲気作りには、照明や色使いが重要な役割を果たします。照明は、明るさだけでなく、光の色や向きによっても雰囲気が変わります。例えば、暖色系の光は温かみのある雰囲気を演出し、寒色系の光はクールな雰囲気を演出します。
色使いも雰囲気作りに重要です。例えば、木目調の内装は温かみのある雰囲気を演出し、白を基調とした内装はシンプルでクリーンな雰囲気を演出します。店舗コンセプトやターゲット顧客層に合わせて照明や色使いを工夫することで、理想の雰囲気を作り出すことができます。
カフェの内装費用を安く抑えるコツ
カフェの内装費用は、工夫次第で安く抑えることができます。ここでは、居抜き物件の選択、中古の厨房機器の活用、内装のグレード調整、施工業者の選定とコスト交渉について解説します。
居抜き物件を選ぶ
内装費用を安く抑えるためには、居抜き物件を選ぶことが有効です。居抜き物件であれば、前の店舗が使用していた内装や設備をそのまま引き継ぐことができるため、内装工事の費用を大幅に抑えられます。
ただし、居抜き物件を選ぶ際は、前の店舗の内装が自分の理想とマッチしているかどうかを確認することが重要です。もし理想と異なる場合は、改装が必要になるため、かえって費用がかさむことがあります。
中古の厨房機器を活用する
厨房機器は、新品を購入すると非常に高額になります。内装費用を抑えるためには、中古の厨房機器を活用することが有効です。中古の厨房機器は、リサイクルショップやオークションサイトなどで購入することができます。ただし、購入する際は、機器の状態や動作確認を必ず行いましょう。
内装のグレードを調整する
内装のグレードを調整することで、費用を抑えることができます。例えば、床材をフローリングからクッションフロアに変更したり、壁材をクロスからペイントに変更したりすることで、費用を抑えられます。
ただし、グレードを下げすぎると、店舗のイメージが損なわれる恐れがあります。コンセプトやターゲット顧客層に合わせて、適切なグレードを選ぶことが重要です。
施工業者の選定とコスト交渉
内装工事の施工業者を選ぶ際は、複数の業者から見積もりを取ることが重要です。見積もりを比較することで、適正な価格かどうかを判断することができます。また、施工業者とコスト交渉を行うことで、費用を抑えることができます。ただし、安すぎる業者は、工事の質が低下する恐れがあるため、慎重に選びましょう。
まとめ
カフェの内装費用は、店舗の広さや立地、内装のグレードなどによって大きく異なります。坪単価の相場は30〜150万円程度ですが、これはあくまでも目安であり、実際の費用は物件の条件や工事内容によって変動します。内装デザインを考える上では、店舗コンセプトの明確化、ターゲット顧客層の意識、動線や導線の考慮、照明や色使いによる雰囲気作りが重要なポイントです。
また、内装費用を安く抑えるためには、居抜き物件の選択、中古の厨房機器の活用、内装のグレード調整、施工業者の選定とコスト交渉が有効です。カフェの内装工事を検討する際は、これらのポイントを踏まえつつ、専門家に相談して適切な予算と工事プランを立てることが重要です。理想のカフェ内装の実現に向けて、しっかりと準備を進めていきましょう。